Fold Holdings が4500万ドル分のビットコイン売却で負債完全消滅、株価は130%超上昇

ビットコイン報酬クレジットカード企業の大型債務整理戦略

ビットコイン関連の金融サービスを手がけるFold Holdings(ナスダック上場:FLD)は、保有するビットコイン約4500万ドル分を売却し、担保付きの債務を完全に消滅させる大型の資本取引を実行した。この決定は、2025年2月にSPAC合併で上場を果たした同社にとって、経営方針の転換点となる。売却に用いられたビットコインは平均単価約71,000ドル前後で取引された。売却益の内訳は、借入金返済に2000万ドル、事業成長施策に2500万ドルが充てられており、戦略的な資本配分を示唆している。

この取引によりFold Holdingsは担保付き負債をゼロにしながらも、約1,492BTCの強固なビットコイン資産を保持することに成功した。現在のビットコイン価格で換算すると、この資産は約9500万ドルの価値を有している。同社は2025年3月に475BTCを追加取得するため転換社債を発行していたが、今回の措置でその逆の流れを形成している。転換社債約6630万ドルの返済により、担保として封鎖されていた521BTCが解放され、経営陣による柔軟な資金運用が可能になった。

市場反応と株価変動の急展開

この発表直後、Fold Holdingsの株価は劇的な上昇を記録した。取引開始時点では1株1.50ドルまで急騰し、始値からの上昇率は130%を超える異例の伸びを示した。しかし相場というものは瞬間的な熱狂で成り立つもので、その後の値動きは一転して冷え込み、終値では1ドルを下回る水準で落ち着き、結局のところ前日比30%程度の上昇にとどまった。このジェットコースターのような株価推移は、市場参加者の期待と現実のギャップ、そして仮想通貨関連企業特有のボラティリティを如実に物語っている。

一時的な興奮が収まった背景には、投資家による慎重な判断が働いたと考えられる。負債消滅自体は企業体質の強化を意味するが、ビットコイン売却という行為はトレジャリー戦略における方針転換と映り、ビットコイン価格の上昇機会を逃すのではないかという懸念も生じた。また、市場は企業財務の改善だけでなく、実際の事業成長と収益向上を同時に見守る必要があると判断したのであろう。

成長戦略と新製品展開への投資方針

Fold Holdingsが今回の負債消滅で実現しようとしているのは、単なる財務面でのスリム化ではなく、急速な事業拡大への足がかりである。月次での現金利息負担がなくなることで、キャッシュフローが改善され、クレジットカード利用者の拡大に必要な運営資金を厚くできるようになった。同社の看板商品はビットコイン報酬クレジットカードであり、カード利用時に得られる報酬スキームの経済性を事業パートナーと共有する道も広がった。

経営陣のウィル・リーブス会長兼CEO は、「融資リスクを削減し、バランスシートを強化することで、短期的な市場変動が経営計画の実行を阻害しないようにした」と発言し、複数の新製品ローンチが間近に控えている状況を示唆している。2025年度の実績は売上高3180万ドル(前年比34%増)、取引額も9億6000万ドル規模に達し、2019年の創業以来の累積取引額は20億ドル、ユーザーへのビットコイン報酬配布額は4500万ドルを超える。

資本構成面では、ビットコイン担保による4500万ドルのリボルビングクレジット枠と、将来のビットコイン買い増しに向けた2億5000万ドルの株式購入ファシリティを保有している。こうした多層的な資金調達手段は、ビットコイン・ネイティブな金融商品が消費者層と機関投資家層の双方で支持を集める現在の環境を反映したものであり、企業のトレジャリー戦略がビットコイン中心で設計されていることを明確に示している。

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