銀行網の弱さがビットコイン普及を後押しする実態
コーネル大学などは2024年12月から2025年3月に25カ国・2万5,880人を調査し、ビットコイン保有経験者の割合はエルサルバドル、ベネズエラ、ナイジェリアで高いと報告した。日本では投機以外の利用動機を考える材料となる。
確認できた事実:保有経験者が多かった国と調査内容
コーネル大学のBitcoin Adoption Indexでは、ビットコインをこれまで保有した経験がある人の割合が高い国として、エルサルバドル、ベネズエラ、ナイジェリアが挙げられた。
調査はコーネル大学のTech Policy Institute、Cornell Bitcoin Club、Human Rights Foundation、Reynolds Foundationなどが関わり、Morning Consultが2024年12月16日から2025年3月10日にかけて25カ国の2万5,880人を対象に実施した。回答者の58%は、ビットコインの発行上限が2,100万枚であることを知らなかった。
報告書は、これらの国では自国通貨の不安定さ、ドルへのアクセスの難しさ、信頼できる銀行サービスの不足などを背景に、ビットコインが投機ではなく実用的な代替手段として機能していると説明した。
日本の読者への影響:ビットコイン需要は投機だけでは測れない
日本の投資家は、価格上昇への期待だけでなく、送金、価値保存、銀行サービスへのアクセスといった利用目的からビットコイン需要を考える必要がある。
ベネズエラではドルを得る他の方法より速く安全だという回答があり、ナイジェリアでは複数のアフリカ諸国で使える点を評価する声が紹介された。エルサルバドルでは、誰も単独で管理しないことを権限の分散と捉える意見もあった。
ただし、調査結果は日本で同じ利用動機が強いことを示すものではない。日本では暗号資産の価格変動、秘密鍵の管理、税務上の扱いを確認し、海外事例をそのまま投資判断へ結びつけないことが重要である。
helloBTC編集部の整理と今後の注目点:利用実態と知識不足を分けて見る
この調査が示す重要点は、技術を詳しく理解していない人でも、既存の金融インフラに不満や制約があればビットコインを利用する可能性があることだ。
一方で、発行上限を知らない回答者が58%に達したことは、利用拡大が必ずしもプロトコル理解の深化を伴わないことも示している。今後は、保有経験の割合だけでなく、実際の送金・決済・貯蓄での利用頻度、利用コスト、規制環境を国別に比較する必要がある。日本の読者は、海外の普及率を熱狂の指標ではなく、金融インフラへの代替需要を測るデータとして読むべきである。
一次資料:Cornell University Bitcoin Adoption Index
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