ZECが月間+120%急騰——アーサー・ヘイズ氏の「$8,000予言」とプライバシーコイン旋風の正体

2026年5月、プライバシーコイン市場が突如として動き出しました。Zcash(ZEC)は24時間で+37%急騰し、月間上昇率は+120%超に達しています。その背景にあるのは、BitMEX共同創業者アーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)氏の「予言」の復活と、機関投資家による静かな買い占めです。

Arthur Hayesの$8,000予言とは何か

Hayes氏は以前から「ZECはビットコイン価格の10%に相当する価値を持つべきだ」という論を展開しています。BTCが現在約$80,000で推移していることを踏まえると、その計算ではZECの適正価格は$8,000となります。過去最高値が$5,941だったZECにとって、これは前例のない高水準です。

Hayes氏が自身のX(旧Twitter)でこの見解を改めて発信したのが今回の急騰のきっかけとなりました。もちろん一人の発言が相場を動かすのは投機的な要素が強く、額面通りに受け取るのは危険です。しかし、この発言がタイミングよく「需給の変化」と重なったことで、市場参加者の注目が一気に集まりました。

Cypherpunk社が$29Mで56,418ZECを購入

価格上昇を裏付けるファンダメンタルな動きも出ています。ウィンクルボス兄弟が出資するCypherpunk Technologiesが、直近で56,418 ZECを約$2,900万ドルで購入。同社の保有総量は290,062 ZECに達し、これはZECの流通量全体の約1.8%に相当します。

さらに注目すべきは、シールドアドレス(プライバシー保護された匿名送金アドレス)に保管されているZECの割合が過去最高の約30%に到達した点です。市場に出回る流通量が実質的に絞られており、需要が少し増えるだけで価格が大きく動きやすい状況が生まれています。

DASHも月間+55%——プライバシーコインの「セクターローテーション」

ZECだけではありません。同じプライバシーコインのDASH(ダッシュ)も5月4日に24時間で+20%急騰し、$3億ドル規模のショートが強制清算されました。月間ではDASHも+55%と、セクター全体が同時に動いています。

この動きは「プライバシーコインへのセクターローテーション」と分析されています。BTCやETHが一定のレンジで膠着する中、投機マネーが比較的出来高の薄いセクターに集中することで、短期間に大きな値動きが生じるパターンです。

リスク:過去にも急騰後に急落を繰り返してきた

ZECの過去を振り返ると、2021年の前回サイクルでは$600前後が天井となった経緯があります。現在まさにその水準に差し掛かっており、ここを明確に上抜けられるかが試金石となります。Hayes氏の$8,000という予測は長期的な仮説であり、短期トレードの根拠にはなりません。プライバシーコインは規制リスクも常に伴います。欧州ではすでにいくつかの取引所がZECの上場廃止を余儀なくされた前例があります。

まとめ

ZECの今回の急騰は、Arthur Hayesの発言による注目・機関投資家の実買い・シールドアドレスによる供給減少という三つの要因が重なった結果です。月間+120%という数字は魅力的ですが、$600という水準は過去の天井圏でもあります。「プライバシーコインの時代が来た」と判断するには、まずこのレジスタンスを突破できるかどうかを冷静に見極めることが重要です。

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