BlackRock、ビットコイン収益化ETF「BITA」の手数料は0.65%で競合を圧倒

コールオプション売却で月次収益を生み出すBITA

ブラックロックは新たなビットコインETF「iShares Bitcoin Premium Income ETF」の上場申請を進めており、ナスダック上で「BITA」というティッカーで取引される予定だ。このファンドの特徴は、単なるビットコイン保有ではなく、保有資産から継続的なインカムを得る仕組みにある。

BITAの収益源はオプション取引にある。ファンドはビットコインとブラックロック傘下の現物ビットコインETF「IBIT」(運用資産約47億ドル)の株式を保有し、毎月これらの資産に対してコールオプションを売却する。コールオプションとは、特定の価格でその資産を購入する権利を意味し、ファンドはこの権利を売却することで得られるプレミアム(保険料に相当)を投資家に還元する仕組みだ。

ただし利益と引き換えのトレードオフがある。毎月、ファンド資産の25~35%に対してコールオプションを売却することで、ビットコイン価格が大きく上昇した場合の利益を制限することになる。つまり投資家は収益性を優先し、ビットコイン急騰時の大きな値上がり益を諦めるという選択をすることになる。

0.65%の手数料で競合ファンドより優位に立つ戦略

BITAの最大の競争力は手数料の低さにある。ブラックロックが設定した信託報酬は0.65%で、同じくカバード・コール戦略を採用する既存の大手ビットコインETF「YBTC」(0.95%)および「BTCI」(0.99%)を明らかに下回っている。

この価格設定は戦略的である。IBI自体の信託報酬がより低い水準に設定されているにもかかわらず、BITAはコールオプション売却の利便性という付加価値に対して0.65%の手数料を課すことで、競合との差別化を実現している。業界アナリストの見方では、ブラックロックはゴールドマン・サックスとの上場競争に勝利するために、積極的な価格戦略を採用したと考えられる。ゴールドマンのビットコイン関連ファンドは2026年7月1日前後の上場を予定しており、ブラックロックは市場で先行する必要があったのだ。

すでにファンド資金が投入され、ビットコインとIBIT株の買付が開始されているという事実は、BITAの上場が極めて近いことを示唆している。

ビットコイン市場における主導権確保と個人投資家への浸透

ブラックロックは現物ビットコインETF市場において圧倒的な流通力を保有している。IBITはこのセクターのフラッグシップ商品として機能し、業界内で最大の資金流入を記録するとともに、競合ファンドが赤字化する局面でも資金を吸収し続けている。

米国現物ビットコインETF市場は、ブラックロックとフィデリティの二社による集約化が進行中だ。フィデリティの「FBTC」とIBITが市場シェアの大部分を占めており、他の小規模発行体は日々の資金流動性にはほぼ貢献できない状況が続いている。

BITAの上場は、ビットコインをメインストリーム投資家向けのインカム商品へと転換させる動きの延長線上にある。個人投資家の間でビットコインへの関心が拡大する中、単純な値上がり益を狙う投資手法から、月次の収益配当を狙う戦略へのシフトが加速している。ブラックロックの強力な営業基盤とIBITの実績があれば、BITAは機関投資家層だけでなく、保守的なリテール投資家にも訴求力を持つ商品となりうるだろう。

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