テザー230億ドルの金備蓄が動く、金担保ローンで新展開

テザーが金をレンディング資産に転換する戦略

テザーはステーブルコイン事業で得た利益を活用し、保有する230億ドル相当の物理的な金を新たなビジネスに活かす動きを加速させている。仮想通貨レンディング企業のレドン(Ledn)と協力し、トークン化された金である「テザーゴールド(XAUT)」を担保とした融資サービスを2026年後半に開始する予定だ。この取り組みは、ビットコイン担保ローンと同じ概念を金市場に適用させるもので、所有者が資産を売却せずに流動性を確保できる仕組みとなっている。

デジタル資産と金の融合が生み出す新しい金融機能

従来、金を担保にした融資は中央銀行や大手金融機関、貴金属ディーラーの独占領域であった。テザーとレドンがこの領域に参入することで、金のデジタル化が単なる資産保管の枠を超え、本格的な金融インフラとしての役割を担い始める。XAUTは1トロイオンス(約31グラム)の金をスイスの保管庫で保管していることを証明するトークンで、各保有者は担保として活用することで追加資金を調達できるようになる。レドンは担保資産を1対1で保管し、他の利用目的には充てない方針を明記しており、2022年の仮想通貨冬の時代に破綻した企業との差別化を図っている。

テザーが金以上の産業領域への拡大を推し進める背景

テザーのパオロ・アルドイノCEOは「デジタル資産が世界経済にますます重要になるにつれ、長期保有と金融の柔軟性を組み合わせたソリューションへの需要が高まっている」とコメントしている。テザーは現在、世界最大のステーブルコインであるUSDTの事業から生み出される利益を元に、金を中心とした貴金属ビジネスの拡大、ビットコイン採掘事業、再生可能エネルギー事業、AI関連企業への投資など、多岐にわたる産業へ進出を加速させている。140トン超の物理的な金保有により、テザーは世界有数の民間金保有企業へ成長した。テザーはGold.comへの投資やアンタルファとのパートナーシップを通じて、XAUTの貸付と物理的な金の引き出しの両方の利用例を増やしている。このように複数の産業へレバレッジを効かせることで、テザーは単なる決済用ステーブルコイン企業から、グローバル金融インフラプロバイダーへの進化を目指している。

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