FBI職員を暗号資産約100万ドル窃盗容疑で逮捕、捜査対象ウォレットを悪用か

米FBIの上級職員、暗号資産約100万ドルを盗んだ疑いで拘束

機密情報にアクセスできたFBI職員が暗号資産窃盗容疑に直面

米連邦捜査局(FBI)で対諜報活動を担当していた上級職員が、総額100万ドルを超える暗号資産を盗んだ疑いで逮捕された。裁判所への提出書類によると、容疑者はFBI本部で勤務し、「トップシークレット」の security clearance(機密情報へのアクセス権)を保有していた人物だ。

容疑者は、FBIが捜査していた外国人に関連する暗号資産ウォレットから秘密鍵を入手し、自分の口座へ複数回送金した疑いを持たれている。秘密鍵とは、暗号資産を移動させるためのパスワードに相当する情報であり、第三者に渡ると資産を直接動かされる危険がある。

KrakenやSui系DeFiを使い最大12回の送金か

捜査当局の説明では、暗号資産の取り扱いに米取引所Krakenや、Suiブロックチェーン上のDeFi(分散型金融)サービスであるSuilendが利用された。SuilendにはSlushウォレット経由でアクセスしていたとされる。

送金回数は最大12回に及んだ可能性がある。中央管理者を介さず資産を運用できるDeFiは利便性が高い一方、ウォレットの管理や秘密鍵の保護を利用者自身が担う。今回の事件は、ブロックチェーン上の取引履歴が追跡可能でも、資産を動かした人物の特定には追加の捜査が必要となることを示している。

海外移住を示す検索履歴と未報告の渡航が捜査線上に浮上

FBIが容疑者のパソコンやスマートフォンを調べたところ、約100万ドルを持って米国を離れ、欧州連合(EU)加盟国の居住者または市民になる方法をAIアプリに尋ねた履歴が見つかったという。AIは移住先の候補としてポルトガルを挙げていたとされる。

さらに、容疑者と家族が翌月にポルトガルへ渡航する計画を立てていたほか、ドイツ、ポルトガル、グレナダへの旅行を組織に報告していなかった疑いも浮上した。FBIの規則では、こうした海外渡航の未報告が問題となる場合がある。容疑者は停職処分を経て解雇され、7月31日に逮捕された後、バージニア州アレクサンドリアで拘束されている。

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