ブータンのGMCがビットコイン treasury の一部運用を開始
GMCが3iQにビットコイン運用を委託
ブータン南部の特別行政区「ゲレフ・マインドフルネス・シティ(GMC)」は、保有するビットコインの一部について、カナダ・トロントを拠点とする3iQに運用を委託した。GMCによると、目的は低リスクの市場中立戦略を通じた長期的なリターンの獲得である。運用対象となるBTCの数量や、ビットコインの取得元は明らかにされていない。
市場中立戦略とは、ビットコイン価格の上昇・下落への直接的な依存を抑えながら収益を目指す手法だ。一般的には、現物と先物の価格差を利用するベーシス取引や、暗号資産の貸し出しなどが含まれる。ただし、GMCが具体的にどの手法を採用するかは公表していない。
1万BTCの国家資産構想と保有実態をめぐる疑問
ブータン国王ジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュクは2025年12月、最大1万BTCをGMCの発展に活用する構想を示した。当時、このビットコインは長期的な国家資産と位置付けられ、担保化、財務戦略への活用、長期保有などが選択肢として検討されていた。
一方、その後の運用対象の規模や保有状況には不透明さが残る。ブータン政府系企業ドゥルック・ホールディングスの最高経営責任者は、同社が最後にビットコインを売却した時期を覚えていないと述べた。一方、オンチェーンデータでは、同社に関連付けられたウォレットから約10億ドル相当の資産が移動したことが示されている。GMCと3iQは、今回運用するビットコインがどこから来たのかを説明していない。
日本の投資家が注目すべき市場中立運用の特徴
今回の動きは、政府や公的組織がビットコインを単に保有するだけでなく、利回りを生む資産として扱い始めた事例といえる。ただし、市場中立戦略でも、カウンターパーティーの信用リスク、保管リスク、流動性リスク、運用手法そのものの損失リスクが消えるわけではない。
日本の投資家にとっては、国や自治体に近い組織がビットコインを運用することと、個人向け商品が安全であることは別問題だと理解する必要がある。運用額、具体的な取引方法、収益実績が開示されていない現段階では、今回の委託を利回りの保証やブータンの保有量確定と受け取るべきではない。今後は、GMCや3iQによる運用規模、戦略の詳細、リスク管理に関する情報開示が焦点となる。
出典:CoinDesk
