Circle決算上振れで株価上昇、USDC拡大とArc構想が鮮明に
Circle株は利益予想を上回り、プレマーケットで約10%上昇
米ドル連動型ステーブルコインUSDCを発行するCircleの株価が、2026年第2四半期決算を受けてプレマーケットで約10%上昇した。売上高は前年同期比7%増の7億100万ドルだったが、市場予想の7億1200万ドルをわずかに下回った。一方、調整後1株利益は18セントとなり、予想の16セントを上回った。継続事業の純利益は4800万ドル、調整後EBITDAは前年同期比8%増の1億4300万ドルだった。
売上高の小幅な未達よりも、利益面での上振れや事業拡大の進展が評価された形だ。ただし、株価は決算内容だけでなく、金利環境や暗号資産市場全体の動向にも左右されるため、短期的な上昇をそのまま企業価値の確定的な評価とみなすべきではない。
USDC流通量は733億ドル、オンチェーン取引高は151%増
CircleのUSDC流通量は6月末時点で733億ドルとなり、前年同期比19%増加した。ただし、2026年のピークだった約800億ドルからは減少している。USDCは米ドルとの連動を目指すステーブルコインで、暗号資産の売買や送金、決済に利用される。
四半期中のオンチェーン取引高は前年同期比151%増の14兆8000億ドルに達した。Circleは、BlackRock、BNY、Standard CharteredなどがUSDCを試験導入する段階ではなく、利用を拡大していると説明した。この動きは、個人投資家向けの暗号資産取引だけでなく、金融機関による決済や資産移転でもステーブルコインの活用が進んでいることを示す材料である。
日本の投資家にとっては、USDCの流通量だけでなく、実際の取引利用と金融機関の参加が拡大している点が重要だ。一方、流通量はピークから減少しているため、成長が一方向に進んでいると判断せず、今後の発行残高や取引高を継続的に確認する必要がある。
Arcに100以上の組織が参加、トークン化資産向け基盤を目指す
今回の決算では、Circleが開発するレイヤー1ブロックチェーン「Arc」の進捗も明らかになった。パブリックメインネットは9月16日の開始を予定しており、100を超えるエコシステムおよび機関投資家の開発者がArc上で開発を進めている。
創設時のバリデーターには、BlackRock、DTCC、ICE、Mastercard、Visa、Standard Chartered、Galaxy、MoneyGramなどが含まれる。BlackRockはトークン化した米国債ファンド「BUIDL」をArc上に展開する計画で、DTCCは保管機関で管理する証券のトークン化に向けたインフラを開発している。
トークン化とは、株式や債券、ファンドなどの権利をブロックチェーン上のデジタル資産として表現する仕組みだ。Arcが金融機関向けの決済やトークン化資産の基盤として機能すれば、CircleはUSDCの発行企業にとどまらず、金融インフラ事業者としての位置付けを強める可能性がある。
また、Circle Payments Networkの直近30日ベース年率換算取引高は147億ドルとなり、前四半期から76%増加した。参加金融機関は175社に達している。Circleは米通貨監督庁(OCC)からCircle National Trust設立の承認も得ており、連邦監督下の信託銀行免許を持つステーブルコイン発行企業となる道を進めている。日本の投資家は、Arcのメインネット開始後に実際の利用状況や参加機関の拡大が続くかを確認することが、Circleの成長性を判断するうえで重要となる。
出典:CoinDesk
