XRP Ledger、530億円超のトークン化資産を見据えた機密送金を提案
XRPL 3.3.0で残高と送金額を暗号化
XRP Ledger(XRPL)のソフトウェア最新版3.3.0に、機関投資家向けの「Confidential Transfers(機密送金)」が提案された。承認されれば、特定のトークン化資産について、残高や送金額を暗号化したまま送金できるようになる。
一方で、アカウントと移転するトークンの種類は公開される。発行者、監査担当者、規制当局などには選択的なアクセスを認める設計である。暗号技術を使い、具体的な金額を明らかにせず取引の整合性を検証する仕組みだ。
XRP Ledger Operationsは、今回のアップデートに6件の提案された改修を含めたと公式に発表した。これらは現時点で導入が確定した機能ではなく、80%以上のバリデーター支持を少なくとも2週間維持する必要がある。
XRP Ledger version 3.3.0 is now available ✅
— XRP Ledger Operations (@XRPLOperations) 2026年8月6日
New amendments for voting:
1) Confidential Transfer – encrypted MPT balances and transfers.
2) Batch – wrap up to 8 transactions that execute atomically under four different modes.
3) Sponsor – sponsored fees and reserves.
4)… pic.twitter.com/8yKf2diniR
XRPL上で約13.8億ドルのRWAが発行済み
今回の機密送金は、XRPL上で拡大するトークン化された現実資産(RWA)市場を対象とする。RWAとは、債券やファンドなど現実世界の資産をブロックチェーン上のトークンとして表現したものだ。
RWA.xyzのデータでは、XRPL上で分散されているRWAは約13.8億ドルに達する。このうちRLUSDが8億4,5,700,000ドル、Ondoが2億1,2,600,000ドル、VERT Capitalが1億1,6,100,000ドル、Archaxが5,5,400,000ドルを占める。Societe Generaleも1,1,600,000ドルを発行している。
RLUSDを除いても、追跡対象のトークン化資産は5億3,0ドルを超える。ただし、市場は少数の発行者に集中している。2026年には、Aviva InvestorsがRippleとの取り組みを通じ、米ドル流動性ファンドのトークン化された投資口をXRPL上で開始した。
機密送金以外に手数料スポンサーや権限委任も追加
Confidential Transfersの初期版には制限がある。利用者が暗号化形式を選択する必要があり、対象はアカウント間の直接的なMPT送金に限られる。XRPL内蔵取引所での売買、エスクロー、チェックには対応しない。
ほかの提案には、最大8件の取引をまとめて処理するBatch、別のアカウントの手数料や準備金要件を負担できるSponsor、特定の取引だけを第三者に実行させるPermission Delegationが含まれる。新規利用者が取引前にXRPを保有する必要をなくしたり、ファンド管理者に限定的な権限を与えたりする用途が想定される。
さらに、発行後にトークンの一部の性質を変更できるDynamic MPTも提案された。日本の投資家にとっては、金融機関が残高や取引額を公開しすぎずにブロックチェーンを利用できる可能性が広がる点が重要だ。ただし、各機能はまだ投票段階であり、実装後も対応資産や利用者が限定される点に注意が必要である。
出典:CoinDesk
