1.9兆ドル運用会社の暗号資産ETFにミームコインが入った理由
アクティブ運用だからこそドージコインを排除しなかった
米運用大手T・ロウ・プライスは2026年7月、業界初となるアクティブ運用型のマルチトークン現物暗号資産ETF「TKNZ」を立ち上げた。アクティブ運用とは、あらかじめ決めた資産だけを保有するのではなく、市場環境や調査、リスク管理に基づいて組み入れ比率を調整する手法である。
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)に加え、注目を集めたのがミームコインだった。デジタル資産部門責任者で運用責任者のブルー・マセラリ氏は、確立されたミームコインを評判だけで除外すれば、真のアクティブ運用にならないと説明した。現時点でETFに含まれるミームコインはドージコイン(DOGE)1銘柄で、比率は1.26%である。
TKNZの約60%はBTCとETHで構成され、3番目に大きい配分はバイナンスコイン(BNB)だ。管理報酬は0.75%で、2027年5月まで一時的な手数料免除が適用されている。
ミームコイン取引をブロックチェーンの負荷試験と評価
マセラリ氏は、ミームコインの活発な取引がブロックチェーンの性能を測る実地試験になると指摘した。ミームコイン相場が過熱する局面では、取引件数が増え、ネットワークに大きな負荷がかかるためである。
その状況でチェーンが機能するには、決済がほぼ即時に完了すること、取引手数料が低いこと、混雑時も安定性を保つことが求められる。これは単なる投機の問題にとどまらず、今後のステーブルコイン利用にも関わる。数百万ドル規模の送金だけでなく、日常的な少額決済も同じネットワーク上で処理する必要があるためだ。
ただし、ミームコインをETFに組み入れたことは、DOGEの価格上昇を保証するものではない。組み入れ比率は小さく、アクティブ運用では市場環境に応じて保有銘柄や配分が変わる点にも注意が必要である。
日本の投資家がTKNZから読み取れる暗号資産ETFの変化
TKNZの登場は、暗号資産ETFがビットコイン単体やイーサリアム単体から、複数トークンを組み合わせる商品へ広がる可能性を示している。T・ロウ・プライスは、暗号資産市場の成熟に伴い、アクティブ運用型、分野別、複数トークン型のETFが発展すると見ている。
日本の投資家にとって重要なのは、ETFに採用されたことと、その資産が低リスクであることは同義ではない点だ。ミームコインは知名度や取引量があっても価格変動が大きく、ETF経由でも暗号資産市場全体の変動や銘柄入れ替えの影響を受ける。
一方で、TKNZのような商品は、個別トークンを直接売買せずに複数の暗号資産へ分散投資できる可能性を持つ。確認すべき項目は、保有銘柄、各配分、管理報酬、運用方針、価格変動リスクである。特に日本で投資する場合は、商品の提供地域や税制、取引環境を別途確認する必要がある。
出典:CoinDesk
