BIP-110を強制するビットコイン分岐、2ブロック後に進展停止
ビットコインのソフトフォーク案「BIP-110」を強制するブランチ(分岐チェーン)が、2026年8月9日、ブロック高961,633で停止した。生成されたブロックはわずか2つで、通常のビットコインチェーンは961,721まで進み、差は88ブロックに広がった。
BIP-110強制ブランチは961,633で約12時間停止
BIP-110モニターのUTC午前10時19分時点の情報によると、強制ブランチの最新ブロックは約12時間前に採掘されていた。Oceanの記録では、匿名のマイニンググループ「Roughnecks」が、Oceanの分散型マイニングテンプレート作成プロトコル「DATUM」を使って最初の2ブロックを採掘した。
この分岐は、BIP-110が土曜日にブロック961,632から「必須シグナリング」に入ったことで発生した。直前の2,016ブロックで支持を示したのは51ブロック、全体の2.53%にとどまった。
必須シグナリングとマイニング難易度が進行を制約
シグナリングとは、マイナーが採掘したブロックに特定のバージョンビットを設定し、提案への支持を示す仕組みである。BIP-110ノードは必須シグナリング期間中、バージョンビット4で支持を示さないブロックを拒否する。一方、通常のビットコインノードは、支持を示すブロックと示さないブロックの双方を受け入れる。
BIP-110の必須シグナリングは、ブロック963,647まで続く予定である。強制ブランチは、難易度調整が行われるまで残りの2,016ブロックを採掘する必要があるため、十分なハッシュパワー(マイニングに使われる計算能力)が集まらなければ進行が遅くなる。
著名なビットコイン関係者もコンセンサス変更に懸念
BIP-110には、著名なビットコイン関係者から反対意見が出ている。Strategyのマイケル・セイラー会長は、提案の目的には賛同しつつも、その手法がビットコインの中立的なルールとコンセンサス(ネットワーク参加者が共有する合意)を脅かすと主張した。
また、Blockstreamのアダム・バックCEOは、コンセンサスレベルの変更がビットコインの信頼性を損ない、一部の未使用トランザクション出力(UTXO)が使用不能になる可能性があると警告した。
日本の投資家にとって、今回の状況はBIP-110がビットコイン全体で合意されたアップグレードではなく、支持するノードと通常のノードの間でチェーンが分岐していることを示す材料である。ブロック数の差だけで直ちにビットコイン本体の価格変動や資産消失を意味するわけではないが、今後のチェーンの継続性、取引所やウォレットの対応、アップグレードをめぐる合意形成を注視する必要がある。
