仮想通貨で100超のプロジェクトが消滅、2026年にドットコム型淘汰が加速

2026年、仮想通貨市場で100超の事業が姿を消す淘汰局面へ

仮想通貨業界で、1990年代末のドットコムバブル崩壊後を思わせる大規模な淘汰が進んでいる。RootDataのデータによると、2026年には100を超える仮想通貨プロジェクトが閉鎖、破産申請、または恒久的に活動を停止した。取引所、ウォレット、DeFi(分散型金融)レンディング、NFTマーケットプレイス、レイヤー1ブロックチェーンまで、影響は業界全体に及んでいる。

2026年7月下旬には、BitMEX、BitMart、Movement Labs、Storj Labsの4社が、わずか1週間の間に閉鎖または破産関連の発表を行った。PolkadotのパラチェーンであるMoonbeamも7月31日に恒久停止し、資産を事前にブリッジしていなかった利用者が取り残される事態となった。

レイヤー2の乱立とアルトコイン価格下落が淘汰を加速

特に過密状態となったのが、Ethereumのレイヤー2とプロトコル向けツールの分野である。レイヤー2とは、Ethereum本体の外側で取引をまとめて処理し、その結果をメインチェーンへ記録する仕組みだ。取引手数料を抑えながら処理速度を高められるため、2023年以降に数多くのネットワークが立ち上がった。

一方、チェーンの開発が容易になるにつれて、機能や対象市場が似通った汎用レイヤー2が増加した。Espresso SystemsのBen Fisch氏は、汎用レイヤー2が過剰に増えたため、現在はレイヤー2全体ではなく、汎用型を中心とする統合局面に入っていると説明した。

アルトコイン価格が70〜90%下落したことで、トークン建ての資金を保有するスタートアップの財務も悪化した。さらに、2026年上半期だけでエクスプロイトによる損失は11億ドルを超え、ベンチャーキャピタルによる救済資金も枯渇している。単一のハッキングをきっかけに、プロトコルが直ちに破産へ追い込まれるケースもある。

生き残る条件はトークン配布ではなく実ユーザーと収益

今回の淘汰は、Ethereumのスケーリング技術だけの問題ではない。Celoのレイヤー2共同創業者Marek Olszewski氏は、DeFi、分散型取引所、インフラ事業者など、仮想通貨全体で統合が進んでいると指摘した。市場が成熟するなか、実際に利用され、依存されているネットワークが残るという見方である。

生き残っている例として、Aave、Hyperliquid、Ether.fiが挙げられている。これらは、トークンの配布や将来期待だけでなく、ステーブルコインや現金による実際の手数料収入を得ている点が特徴だ。市場の評価軸は、トークン価格の上昇期待から、利用者数、キャッシュフロー、明確な課題解決力へ移りつつある。

Coin Bureau創業者のNick Puckrin氏は、表面化している閉鎖の背後に、静かに同様の動きを進めるプロジェクトがさらに存在する可能性をX上で示した。

日本の投資家が確認すべき資産管理とプロジェクト選び

日本の投資家にとって、プロジェクトの終了はトークン価格の下落だけを意味しない。チェーンやプロトコルが停止すれば、出金、ブリッジ、担保回収、流動性の確保が難しくなる場合がある。特定のプロジェクトに資産を集中させず、公式発表や利用中のサービスの稼働状況を定期的に確認する必要がある。

プロジェクトを評価する際は、トークンの時価総額や話題性だけでなく、手数料収入が何で発生しているか、実ユーザーが存在するか、資金調達に依存し続けていないかを確認したい。複数のサービスを組み合わせる場合は、スマートコントラクトの監査状況だけでなく、開発者が保守を継続しているかも重要となる。

市場の淘汰が進むほど、流動性の低いトークンや管理主体が不明確なプロトコルでは、売却や資産移動が困難になるリスクが高まる。今回の動きは仮想通貨市場の終わりではなく、実際の利用と収益を持つ事業へ資本が集中する転換点と捉えられる。ただし、存続しているプロジェクトも安全が保証されるわけではなく、投資判断には個別の確認が必要である。

出典:CoinDesk

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