CMEのビットコイン先物でヘッジファンドが強気姿勢へ
レバレッジファンドのCME先物ポジションが純ロングに転換
ヘッジファンドなどのレバレッジファンドが、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物で純ロングに転じた。CryptoQuantのキ・ヨンジュCEOが明らかにしたもので、長年続いてきた構造的なショート優勢からの転換は珍しい動きである。
純ロングとは、買い建玉が売り建玉を上回る状態を指す。これは、機関投資家がビットコイン価格の上昇を見込んで先物を保有している可能性を示す。ただし、先物ポジションだけで将来の価格上昇が確定するわけではない点には注意が必要だ。
キ・ヨンジュ氏はX(旧Twitter)で、CMEのヘッジファンドがビットコイン先物で純ロングに転じたと説明した。従来のベーシス取引による構造的なショートを何年も続けてきた中で、異例の変化だと指摘している。
Hedge funds on CME flipped net long BTC futures.
— Ki Young Ju (@ki_young_ju) 2026年8月10日
This is rare. The basis trade keeps them structurally short. That's why this chart's been red for years. You can't carry trade into a net long.
The suits are betting on upside. pic.twitter.com/hG1musewVx
ベーシス取引の利回り低下がショート解消を促す
レバレッジファンドがCME先物でショートを積み上げてきた背景には、ベーシス取引がある。これは現物のビットコインやETFを買う一方、先物を売る市場中立型の取引だ。利益の源泉はビットコイン価格そのものの上昇ではなく、現物価格と先物価格の差が縮小することにある。
しかし、3カ月物ビットコイン先物の年率ベーシスは約3%まで低下した。記事によると、2年物米国債の利回りは約3.8%であり、先物を使ったベーシス取引の収益性は相対的に低下している。資金調達費用や証拠金、取引執行に伴うリスクもあるため、ポジションを維持する動機が弱まった形だ。
今回の純ロング転換には、ベーシス取引を行っていた投資家がショートを閉じた影響も含まれる可能性がある。それでも、買い建玉が売り建玉を上回ったことは、単なるショート解消を超えて、CMEのレバレッジファンドが先物市場で強気に傾いたことを意味する。
58,000ドルから65,000ドル台へ回復したビットコイン
ビットコインは7月1日に約58,000ドルまで下落した後、記事時点では65,000ドル台で取引されている。価格回復とCMEのポジション転換が重なったことで、機関投資家による上昇期待を示す材料として注目されている。
日本の投資家にとっては、現物価格だけでなく、CME先物のレバレッジファンドのポジションや先物ベーシスを確認することが重要だ。先物の純ロングは強気材料になり得る一方、ポジションは短期間で変化する。米国債利回りや資金調達コスト、ETFを含む現物需要と合わせて判断する必要がある。
今回の動きは、ビットコイン市場で長く利用されてきた中立的な裁定取引の採算が低下し、プロの投資家の資金が価格上昇を見込む方向へ動き始めた可能性を示す。ただし、これは市場心理を示す一つの指標であり、投資判断ではリスク管理を優先すべきである。
出典:CoinDesk
