ビットコイン先物市場、膨らむ建玉と狭い出口が招く価格変動
ビットコイン先物の建玉が出来高を大きく上回る
ビットコイン先物市場で、ポジションの混雑を示す状況が強まっている。CoinGlassのデータによると、記事執筆時点の先物市場では、未決済ポジションを示すオープンインタレスト(OI)が約480億ドルに達した。一方、24時間取引高は約250億ドルにとどまった。
OIは市場に残っている先物ポジションの総額であり、新規ポジションの開設や既存ポジションの決済によって変動する。取引高は一定期間に売買された契約の規模を示すため、ポジションを動かす際に利用できる市場の流動性を考える手がかりとなる。
2019年から2020年にかけては、取引高がOIの2〜3倍に達していた。現在は反対にOIが取引高を大きく上回っており、多くのポジションに対して取引の受け皿が相対的に小さい状態だ。
流動性不足で強制清算が連鎖する可能性
OIと取引高の差が大きい市場では、価格急変時に多くの参加者が同時にポジションを閉じようとすると、注文を吸収できない可能性がある。特に証拠金不足による強制清算が発生すれば、売買が一方向に集中し、価格変動が通常より大きくなるリスクがある。
Glassnodeは、OIが日次取引高を大きく上回る場合、清算注文を吸収する待機注文が少なくなり、不利な値動きが長引く可能性があると指摘した。同社によると、トレーダーは多くのリスクを積み上げており、その大半はロングポジションだという。
下落方向のリスクを高める要因として、需要の弱さと買い注文の減少も挙げられている。夏場の価格レンジを支えていた待機買い注文は7月初めにピークを付け、その後およそ3分の1減少した。ビットコイン価格が6月の安値である58,000ドルを再び試す場合、買い支えが少なく、下落が深くなる可能性がある。
現物取引高の少なさが日本の投資家にも示す注意点
流動性の懸念は先物市場だけに限られない。24時間の現物取引高は約125億5,0ドルで、先物取引高の約250億ドルを下回った。現物市場の規模が先物市場より小さいことも、先物主導の値動きを増幅させる要因となり得る。
記事執筆時点では、ビットコインは約63,500ドルで推移し、協定世界時の午前0時から1%上昇していた。市場が平静に見える局面でも、OI、先物取引高、現物取引高の差は、急変時の売買のしやすさを考える材料となる。
日本の投資家が先物やレバレッジ取引を利用する場合、価格の方向だけでなく、証拠金維持率や強制清算価格、ポジション規模を確認する必要がある。OIが膨らみ、取引高や買い注文が相対的に細っている局面では、損切り注文が想定価格より不利に約定する可能性にも注意が必要だ。これは下落を断定する材料ではないが、急変時のリスクが高まりやすい市場構造を示している。
出典:CoinDesk
