CLARITY法の停滞でSECが暗号資産規制案を提示
米SECは2026年8月、議会でCLARITY法が進まない中、暗号資産を投資契約と扱わないセーフハーバーやトークン発行の免除案を公表した。日本企業や投資家も、米国上場・発行への影響を注視する必要がある。
SECの新たな暗号資産ルール案で確認できた事実
米SECは、暗号資産に関わる一部の投資契約向けに、明確で目的に適した枠組みを設ける規則案を公表した。
SECによると、提案には暗号資産が「投資契約」と扱われないセーフハーバー(一定条件下で規制上の保護を受ける仕組み)と、トークン発行に関する免除が含まれる。発行企業には、4年間で最大5,000,000ドル、12カ月間で最大75,000,000ドルの発行枠が示された。一方、財務諸表の提出と継続的な報告義務が課される。意見募集期間は、連邦官報への掲載後60日間である。
今回の提案は、米議会がCLARITY法を可決できないまま休会に入った直後に発表された。SECのポール・アトキンス委員長は、将来にわたって機能する規則には立法が不可欠だとして、議会によるCLARITY法の成立を支持する姿勢を示した。なお、予想されていた暗号資産関連株式の「イノベーション免除」は今回の案に含まれていない。
日本の暗号資産投資家と企業への影響
この提案は米国でのトークン発行や事業展開の予見可能性を高める可能性があるが、まだ最終規則ではない。
日本の投資家にとって、米国で発行されるトークンが直ちに安全になることを意味しない点が重要である。セーフハーバーや発行免除は条件付きであり、財務情報の開示と継続報告も求められる。対象範囲や最終的な要件が確定するまでは、米国関連トークンを購入する際に、発行主体、開示内容、適用条件を確認する必要がある。
また、SECの案は米国の制度であり、日本の暗号資産交換業規制や税務上の扱いを変更するものではない。日本企業が米国向けに発行・販売する場合も、日本側の登録や開示、税務上の論点を別途検討する必要がある。
helloBTC編集部の整理と今後の注目点
現時点では、SECの規則案とCLARITY法の立法手続きが並行して進む点を確認すべきである。
米上院では、ジョン・チューン院内総務が休会後にCLARITY法を取り上げるための手続きを提出した。ただし、休会後に上院が開会する日数は限られており、法案が成立するかは確定していない。法案が成立すれば、SECや商品先物取引委員会(CFTC)の権限分担を含む、より耐久性のある市場構造ルールにつながる可能性がある。
今後は、SEC案の連邦官報掲載日と60日間の意見募集、最終規則の内容、CLARITY法の上院審議、CFTCが示す暗号資産政策を確認したい。SEC案は規制緩和の確定ではなく、投資判断では最終文書と個別トークンの開示を分けて評価する必要がある。
一次資料:米国証券取引委員会(SEC)|SEC Proposes New Regulation Crypto Assets
参考報道:CoinTelegraph
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