スタンダードチャータード銀行がAaveに3500ドルの価格目標を掲示
イギリスの大手銀行スタンダードチャータードが、分散型取引所のAaveに対して2030年までに3500ドルという大胆な価格目標を提示した。これはAaveのネイティブトークンであるAAVEが現在の約1.6ドルから約50倍の上昇を意味する。この強気な予想を発表したのは、同行のデジタル資産研究部門を統括するジェフ・ケンドリック氏である。ケンドリック氏は先週もUniswapのUNIトークンに対して100ドルの目標を掲げており、DeFi市場の成長性に強い確信を持つアナリストとして知られている。AAVEは過去24時間で約15%上昇し、80ドル付近まで値を上げており、数か月ぶりの大きな単日上昇率を記録した。
DeFi市場の拡大がAaveの復権を促進するシナリオ
ケンドリック氏の予想の根拠は、分散型金融(DeFi)市場全体の急速な成長にある。DeFi市場の資産規模は2030年までに現在の約37倍に拡大すると予測されており、この成長の波にAaveが乗ることで市場シェアの奪還が可能だというロジックだ。ケンドリック氏の計画では、AAVEは年末までに180ドルまで上昇し、その後3年間で段階的に600ドル、1200ドル、2200ドルに到達するとされている。ただし最終的な3500ドルの目標には、Aaveがかつての支配的なポジションを完全に回復することが前提条件となっている。実際、Aaveはかつて分散型貸付市場で59%の平均シェアを保有していたが、現在は38%にまで低下している。これはKelpDAOで発生した2億9100万ドルの利用事件が連鎖的にAaveに波及し、預金が440億ドルから230億ドルまで急落したことに起因している。
Aave Horizonの実現可能性が価格予想を左右する重要ポイント
ケンドリック氏の強気シナリオで最も重要な要素は「Aave Horizon」というプロジェクトの成功にある。これは伝統的な金融機関(銀行や機関投資家)をブロックチェーン上に取り込み、借り手として参加させようとするAaveの野心的な取り組みだ。もしこのプロジェクトが成功すれば、DeFi市場に膨大な資本が流入し、Aaveの成長を加速させる可能性がある。しかし現時点では、Aave Horizonは実装段階にあり、実績はまだない。この不確実性が、予想の信頼性を問う声を生んでいる。また、AAVEのこれまでの最高値は2021年に記録された661ドルであり、ケンドリック氏の2030年目標3500ドルはこの最高値の約5倍を意味している。トークンが過去に到達したことのない水準を大きく超える予想であるため、慎重な検証が必要だ。先週ケンドリック氏がUniswapに提示した同様の強気予想に対しても、その根拠となる方法論に批判の声が上がっており、Aaveの予想についても同様の精査が加えられるべきだろう。
