BIP-110の少数派ビットコインチェーンが実質停止、8時間で2ブロック
少数派チェーンは2ブロックにとどまり本流と48ブロック差
ビットコインのBIP-110を支持する陣営が分岐して作った少数派チェーンは、稼働から約8時間で2ブロックしか生成できず、実質的に停止した。BIP-110の状況モニターによると、分岐チェーンはブロック961,633、本流のビットコインは961,681に到達しており、48ブロックの差が生じた。
分岐点は961,632だった。BIP-110対応ソフトを動かすノードは、提案への支持を示さないブロックを拒否する仕組みである。一方、通常のビットコインではブロックが約10分ごとに追加されるため、48ブロックの差は本流だけで長時間の取引処理が進んだことを意味する。
BIP-110は非金融データの記録を一時的に制限する提案
BIP-110は、ビットコインのトランザクション内に画像や文章など、決済以外のデータを保存する行為を1年間停止する提案である。支持者は、こうしたデータがネットワークを混雑させ、送金利用者の手数料を押し上げると主張している。
反対派は、手数料を支払った利用者にはブロック空間を自由に使う権利があり、マイナーやノード運営者が正当な取引を選別すべきではないと反論する。直近2週間でBIP-110への支持を示したブロックは2.53%にすぎず、分岐なしで有効化するために必要とされた55%を大きく下回った。
最初の非シグナリングブロックはAntPoolが採掘し、通常のネットワークは受け入れたものの、BIP-110ノードは拒否した。その後、Oceanを利用するマイナーが分岐チェーン側のブロックを生成した。マイニングプールとは、複数の採掘者が計算資源を集め、報酬を分配する仕組みである。
ハッシュパワー不足で難易度調整まで約350日かかる可能性
分岐チェーンの停止には、ビットコインの難易度調整が関係している。ビットコインは通常、2,016ブロックごとにマイニング難易度を見直し、ブロック生成間隔をおよそ10分に保つ。BIP-110チェーンは本流と同じ現在の難易度を引き継いだ一方、参加するハッシュパワー、つまり採掘計算能力の割合が極めて小さい。
そのため、分岐チェーンではブロック生成に数時間単位の間隔が生じている。難易度を下げるには2,016ブロックを完了する必要があり、状況モニターではその時点まで約350日かかる見通しとされる。本流のビットコインでは約14日とされ、両チェーンの処理能力には大きな差がある。
日本の投資家が分岐コインの売却を検討する場合、リプレイ攻撃に類似したリスクにも注意が必要である。両チェーンは同一の取引を受け入れているため、分岐コインを送るために署名した取引がビットコイン本流でも再放送され、同じ送信者から本物のBTCが移される可能性がある。分岐コインの取引では、チェーン間で取引が再利用されない保護機能や、入出金対応の有無を確認することが重要だが、今回の情報だけでは具体的な対応状況は確認できない。
出典:CoinDesk
