オプション市場に残る防御的ポジション、プットオプションの高いプレミアム
ビットコイン相場が61,884ドル前後で推移し、暗号資産市場全体が回復の兆しを見せている中、市場参加者の慎重な姿勢は依然として根強い。オプション取引市場の動きを見ると、その実態が浮き彫りになる。Deribit取引所に上場するビットコイン・イーサリアムのオプション市場では、価格下落時の保険として機能するプットオプション(売り建てポジション)が、買い建てポジション(コールオプション)を上回る取引量を記録している。
1週間満期で権利行使価格が中心価格から2.5%下にあるビットコイン・プット・コール・スキュー指数は約16%に達している。この数字は10日前の25%から低下したものの、依然として高い水準を維持している。プットオプション側が16%分の追加プレミアムを享受していることは、市場参加者が下落リスクに対して相応の保険金を払う価値があると考えていることを意味する。さらに1カ月、3カ月、6カ月の満期でも、プットオプション側に10%以上のプレミアムが存在している。イーサリアムでも同様のパターンが観察されている。
レンジ相場を想定した大型ポジションが形成、強気観測の限定性
大口の機関投資家やトレーダーが相場の方向性について、必ずしも強気ではないことが、大型ブロック取引の分析からも明らかになる。機関投資家が相対取引で大型ポジションを組成し、その後取引所に報告される取引パターンを追跡すると、興味深い戦略が浮かぶ。
7月17日満期で展開されている大型の「ロングコール・コンドル」戦略がその典型例だ。この戦略は64,000ドルと70,000ドルの行使価格でコールを買い建てる一方で、66,000ドルと68,000ドルの行使価格でコールを売り建てるという複合構造を採用している。このポジション構成では、7月17日の相場が66,000ドルから68,000ドルのバンド内に収束することで最大利益が実現される。つまり機関投資家は現在の相場が当面、明確な上昇や下落に向かわず、限定的なレンジ内での価値変動を予想していると解釈できる。
独立記念日連休がもたらす流動性低下と価格変動の加速リスク
米国市場は独立記念日の連休に入り、金曜日は取引停止となった。連休中の市場流動性が著しく低下する局面では、価格変動が通常より激しくなるリスクが高まる。限られた取引量で相場が動く環境では、大口の買い注文や売り注文が相場に与える影響力が拡大する。また流動性が薄い中での急激な値動きは、損切り注文の連鎖を誘発する可能性も存在する。
ビットコイン長期保有者とビットコイン現物ETF投資家が再び積立を再開している兆候が確認されているにもかかわらず、オプション市場の防御的ポジションが解消されていない事実は、市場参加者の間に異なる展望が共存していることを示唆している。短期的な価格下落に対する警戒感は依然として消えておらず、相場の不確実性への対価としてのオプション保険料が維持される構図が続いている。
