ロシアのルーブル建てステーブルコイン A7A5、取引量で対立|分析企業が異議

制裁下のロシア通貨ステーブルコイン A7A5 が主張する取引規模の真実

西側の金融システムを迂回する目的で設計されたロシア通貨ペッグのステーブルコイン「A7A5」が、その実際の利用規模をめぐって激しい対立に直面している。発行元は1日あたり平均2億ドル以上の取引量を処理していると主張しているが、ブロックチェーン分析企業はこの数字に大きく異議を唱えている。A7A5は本来、制裁を逃れるための決済手段として機能することを目的としていた。しかし2026年初頭以降、その実態は想定とは大きく異なるものとなっているようだ。

ブロックチェーン分析企業が指摘する水増しされた取引活動

TRM Labsのアナリストであるクリス・キーガンは、A7A5の実際の日次取引量は約7500万ドル程度に過ぎないと指摘する。さらに問題なのは、観測された取引量の約34%が循環的な資金移動で構成されており、実質的な活動を人為的に膨らませているという指摘だ。キーガンは、A7A5の発行元以外における実質的かつ大規模な利用は存在しないと述べている。取引量は週末に急激に減少する傾向が見られ、これはロシア関連の取引所グリネックスを通じた企業間送金に大きく依存していることを示唆している。別のブロックチェーン分析企業エリプティックの共同創設者トム・ロビンソンも同様の見方を示し、月次の取引量が1月比で90%以上減少し、昨年のピークからは96%低下していると報告している。米国、欧州連合、英国による制裁と、2026年初頭のグリネックスの崩壊が、A7A5の衰退を加速させた要因として挙げられている。

DeFi活動の計測問題をめぐる発行元の反論

A7A5の発行元は、ブロックチェーン分析企業の主張に対して異なる立場を示している。規制対応責任者のオレグ・オギエンコは、トークンの大部分の活動が分散型金融(DeFi)プラットフォーム上で発生していると強調する。DeFiではユーザー認証が不要であり、取引は中央集約型の取引所を経由せず、暗号資産ウォレット間で直接実行される。このため、CoinMarketCapやコインゲッコ、DeFiLlamaといった大手データプロバイダーの計測方法では、DeFi活動を十分に捕捉できていないという主張だ。オギエンコは、これらのデータプロバイダーが中央集約型取引所データに過度に依存していることが、A7A5の活動を過小評価する要因になっていると述べている。さらに、この計測方法は国連の原則に反する「差別的なアプローチ」であると批判している。ただし、A7A5の主張も分析企業の指摘も、第三者による独立検証を経ていない点は注視する必要がある。

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