Revolut、8月末にUSDT廃止へ|規制リスク対応の背景を解説

Revolutが発表したUSDT廃止の詳細スケジュール

英国拠点のフィンテック企業Revolutは、ステーブルコイン「USDT」の廃止を決定した。7月6日からUSDTO購入を停止し、8月31日に完全廃止となる。ユーザーが期限までにUSDTを売却または引き出さない場合、自動的にユーザーの基軸通貨に当日レートで変換される。また7月30日以降はUSDTの入金受け付けも停止し、その後の送受信は拒否される仕組みだ。この段階的な廃止プロセスは、顧客への混乱を最小限に抑える配慮と考えられる。

EU規制「MiCA」がもたらした業界全体の構造転換

Revolutは廃止理由を「規制およびリスク上の懸念」と説明しているが、背景にはEUの暗号資産市場規制「MiCA(Markets in Crypto-Assets Regulation)」の影響がある。Revolutは2025年11月にMiCAライセンスを取得し、暗号資産サービスプロバイダーとして認可されたが、この新規制によりUSDTは欧州での地位が急速に弱まった。Coinbaseを含む複数の大手取引所が2024年からUSDTを欧州で廃止を開始しており、MiCA対応がデジタル資産業界の分岐点となっている。MiCAは準備金の一部をEU内の金融機関に保管することを義務付けており、この要件がUSDTの発行元であるTetherと対立している。

Tetherの反発とステーブルコイン市場の競争構図

Tetherの最高経営責任者Paolo Ardinoは、MiCAの規制要件を厳しく批判している。準備金要件を含む同規制を「不十分に考慮された法制度」と評しており、Tetherのコンプライアンス戦略とEU当局の方針が相容れない状況が続いている。市場規模ではUSDTは依然として時価総額1840億ドルで、ビットコイン、イーサリアムに次ぐ第3位のデジタル資産だ。一方、CircleのUSDC(時価総額730億ドル)はMiCAへの適応が進み、欧州でのシェア拡大を進めている。この規制環境の激変により、ステーブルコイン市場ではMiCA準拠の通貨へシフトが加速することが予想される。

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