Coldcard関連ウォレットの被害、累計1,816BTCに拡大か
4回目のスイープで被害額は約1億1400万ドルに到達
Coldcardで生成された一部のビットコインアドレスを狙う資金流出が、7月30日以降も続いている。研究者の分析によると、4回の波を合わせて約1,816BTC、当時の価格で約1億1400万ドルが、5,200以上のアドレスから移動した可能性がある。
今回の攻撃は、対象アドレスにあるビットコインを自動的に回収する「スイープ」と呼ばれる手法だ。初回の攻撃では、1,196アドレスから1,083BTCが約41分で移動した。その後の2回の波でも被害が確認され、今回さらに4回目とみられる動きが発生した。
公式発表に関連する分析では、攻撃者が現在も対象アドレスを監視し、価値のある資金を順次移動させている可能性が示されている。
🚨 LIKELY 4TH ORGANIZED WAVE COLDCARD ATTACK OCCURRING RIGHT NOW
THERE ARE STILL SIMILAR TXS IN THE MEMPOOL WAITING TO BE CONFIRMED AND THE PREVIOUSLY-CONFIRMED TXS SIGNAL RBF OPT-IN, CHECK YOUR FUNDS AND YOU MAY BE ABLE TO RBF YOUR WAY OUT OF THIS
pattern identified:
blocks…— Alex Thorn (@intangiblecoins) 2026年8月3日
未承認取引ならRBFで被害者が先回りできる可能性
今回の波で注目されるのは、送金取引に「RBF(Replace-by-Fee)」が設定されている点だ。RBFは、ビットコインのブロックチェーンで取引がまだ承認されていない場合、より高い手数料を付けた別の取引に置き換えられる機能である。
対象者が自分のアドレスから資金を移す攻撃者の取引をメンプールで見つけた場合、より高い手数料を設定して自分の送金を先に承認させられる可能性がある。ただし、時間は極めて限られており、RBF対応ウォレットや適切な手数料設定が必要となる。
今回確認された取引は、ブロック960,778から960,792に集中していた。218件の取引が462アドレスを狙い、通常の監視期間と比べて約45倍の頻度でスイープが行われたと分析されている。
原因は2021年ファームウェアの乱数生成問題
問題の根本には、2021年3月に提供されたColdcardのファームウェアがある。このバージョンでは、暗号資産ウォレットの秘密鍵生成に使う乱数処理が、チップ内のハードウェア乱数源ではなく、予測可能なソフトウェア方式に切り替わっていたとされる。
秘密鍵は本来、第三者が推測できないランダム性によって守られる。乱数の範囲が再現可能になると、攻撃者は対象となるシードや秘密鍵をオフラインで計算し、資金を移動できる可能性が生じる。
これまで確認された攻撃では、シングルキー構成のアドレスが主な対象となっている。一方、マルチシグネチャは複数の鍵による承認を必要とするため、同じ問題の影響を受けにくいとみられる。該当するファームウェアでシードを作成した利用者は、緊急ファームウェアの適用だけでなく、新たなシードから作ったアドレスへ資金を移す必要がある。
対象者はColdcardで過去に生成したアドレスを確認し、資金が残っていれば直ちに安全なウォレットへ移すべきだ。未承認取引が表示される場合は、RBFの利用可否を確認し、状況に応じて優先手数料を設定する必要がある。
