トランプ・メディアのビットコイン保有が担保分だけに?1億6500万ドル移動の波紋

トランプ・メディア、ビットコイン165億円相当を移動し保有構成に変化

Crypto.comへ2,628BTCを移動、残高は担保額とほぼ一致

トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループに関連するとみられるウォレットが、約2,628BTCをCrypto.comへ移動した。ビットコイン価格を約6万3,000ドルとすると、金額は約1億6,500万ドル、日本円でおよそ250億円規模に相当する。

移動後、関連ウォレットに残るビットコインは約4,261BTCとなった。同社が第1四半期の開示で、転換社債の担保として設定していた4,260.73BTCとほぼ同じ数量である。転換社債とは、将来的に株式へ転換できる可能性を持つ社債であり、担保に設定された資産は一定期間、自由な売却や引き出しが制限される。

ウォレットの特定範囲が同社の全保有量を完全に反映しているとは限らないため、残ったBTCがすべて担保分だと断定はできない。ただし、裁量で運用できるビットコインがほとんど残っていない可能性を示す動きだ。

高値圏で取得した11,542BTCから保有量を大幅に縮小

同社は昨年、平均取得価格約11万8,522ドルで11,542BTCを購入した。投資総額は約13億7,000万ドルに達し、ビットコイン相場が高値圏にあった時期の大規模な買い入れだった。

その後、関連ウォレットから外部へ移動した数量は合計7,281BTCに及ぶ。オンチェーン分析では、これらが平均約7万4,855ドルで売却されたと仮定すると、取得原価との差から実現損失は約3億1,800万ドルになると推定される。残存分にも約2億3,700万ドルの含み損があるとされる。

ただし、ブロックチェーン上の移動だけでは、売却とカストディアン(資産保管業者)間の移管を区別できない。Crypto.comは同社が指定する保管先の一つである一方、取引サービスも提供しているため、今回の送金が保管目的なのか売却準備なのかは確定していない。

第2四半期10-Qで売却か保管移管かが判明する見通し

焦点は、同社が提出する第2四半期の10-Qに移る。10-Qは米国企業が四半期ごとに提出する財務報告書で、資産売却の会計処理や損益への影響を確認できる重要な資料だ。

実際にBTCを売却していれば、実現損失が損益計算書に計上される。一方、単なる保管先の変更であれば、通常は売却損益として現れない。開示内容によって、同社がビットコインを投資資産として縮小しているのか、保管体制を変更しているだけなのかが見えてくる。

同社は第1四半期に4億590万ドルの純損失を計上し、売上高はわずか87万1,200ドルだった。デジタル資産や株式の評価損などが損失を押し上げており、ビットコイン戦略が業績と投資家心理の両方に大きく影響している。今後は10-Qの記載に加え、関連ウォレットの動きとビットコイン価格の推移を併せて確認する必要がある。

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