極端な損失指標が歴史的な買い場を示唆
ブロックチェーン分析プラットフォームのCryptoQuantが報告したデータによると、ビットコインの実現損益比(Realized P&L Ratio)が-0.35という43ヶ月ぶりの低水準に到達した。この指標は、市場全体における損失の深刻さを示す一方で、歴史的には底値形成と極めて高い精度で一致してきた重要なシグナルである。
実現損益比とは、ネットワーク全体における利益または損失にある仮想通貨の割合を測定する指標で、マイナスの値が大きいほど市場参加者の含み損が深刻な状況を意味する。前回-0.35以下に落ち込んだのは2022年12月、FTXの突然の経営破綻によってビットコインが16,000ドルを割り込んだ時期であった。
過去のデータを検証すると、この指標は単なる悲観的な市場心理の現れではなく、むしろ反転局面を予測する強力なツールとして機能してきた。2015年と2019年の両局面でも-0.35を下回った直後に価格上昇局面が訪れており、今回の局面も同様のパターンを示している可能性が高い。
市場専門家らが割安水準での買い推奨を主張
Bitwise社のチーフ・インベストメント・オフィサーであるMatt Hougan氏は、最近の市場調整局面を分析し「底値はかつてないほど近い」と発言。特にStrategyの優先株式商品であるSTRC(Stretch)が100ドルのパー価格から75ドル以下に急落した事象が、市場のレバレッジを調整し、底値形成を加速させた可能性を指摘した。Hougan氏は秋口の新たな強気相場突入を確信していると語った。
Swan Bitcoin社のアナリストであるAdam Livingston氏は、現在のビットコイン価格がネットワークの総平均取得価格(実現価格)からわずか16%上回る水準にあることに着目している。歴史的データでは、この水準からの6ヶ月リターンが平均41%、12ヶ月リターンが平均81%であったという統計を提示し、現在が極めて有利な仕込み機会であることを強調している。
Livingston氏はX(旧Twitter)で、現在ビットコインを購入することは「心理的に苦痛を伴う」と認めながらも、その心理的抵抗感こそが割安価格の根拠であると論じた。
Bitcoin is a buy here. Obviously.
Realized price is the average price at which every Bitcoin last moved on-chain, the network's aggregate cost basis, the sum of what holders actually paid to be here.
Today Bitcoin trades 16% above that number. In plain terms, the average coin… pic.twitter.com/V0YME4WSy6
— Adam Livingston (@AdamBLiv) 2026年7月3日
底値の到来を待つ戦略よりもドルコスト平均法の有効性
投資判断における永遠の葛藤は「底値を待つべきか、それとも今すぐ投資すべきか」という問題である。Livingston氏の主張は、この古典的な困難な選択肢に対する実践的な答えを提供している。市場の底値は事前に宣告されることはなく、それが底値であることが明らかになるのは常に事後的である。つまり、完璧な底値を狙う戦略は理論的には合理的でも、実行段階では成功率が極めて低いのだ。
ビットコインは10月の126,080ドルからの高値から50%以上の下落を経験し、6月25日には約2年ぶりの安値である58,190ドルまで売り込まれた。その後7%以上の反発を見せているが、市場心理は依然として極度に悲観的な状態にある。この心理的な底の状態こそが、市場の大きな転換点に先行する典型的なパターンである。
現在の水準でビットコイン資産形成を開始することは、市場参加者が最も痛みを感じている時期での購入となる。しかし歴史的なデータが示すところによれば、この「痛みの時期」こそが最も報酬の大きい投資機会である可能性が高い。割安感が消え去り、楽観ムードが戻ってきた時点での購入を後悔する可能性よりも、今この瞬間の判断を優先することの方が、長期的な資産形成には有利に働く傾向があるのだ。
