ETF売却が記録的規模、ビットコインが供給過剰に陥る
ビットコインの価格が6万ドル付近で安定している一方で、市場には深刻な問題が潜んでいる。2026年6月、ビットコイン現物ETFが過去最大となる716億ドル相当の71,600BTC(40億ドル以上)を売却し、同月の記録的な償却を記録した。一方、企業の資金運用部門やデジタル資産専門の財務企業の買い付けはわずか7,500BTCに止まった。毎日新たにマイニングされるコインを加えると、市場には約77,000BTC(44億ドル相当)の供給過剰が生じている状況だ。
この供給過剰(サプライオーバーハング)は、ビットコイン市場が大口投資家の需要に支えられていないことを意味する。むしろ大手機関投資家が売り圧力に加担しているため、価格上昇の足かせとなっている。短期的なリバウンドは期待できても、本格的な回復には機関投資家の需要が反転する必要がある。
マイクロストラテジーが12億5千万ドルのビットコイン売却計画を発表
こうした市場環境の中、ビットコイン投資の最大手企業であるマイクロストラテジーが月曜日に重要な発表を行った。最大12億5千万ドルのビットコイン売却を認可する計画を公表したのだ。この売却益は25億5千万ドルの米ドル準備金を構築するために充当され、優先株の配当と利息支払いをまかなう予定である。
Institutional demand isn’t absorbing new $BTC supply – it’s adding to the overhang.
ETFs shed 71.6K BTC over the past month, DATs added just 7.5K.
Adjusted for issuance, combined flows are −77K #BTC.
Until this flips positive, any recovery is fighting net wrapper supply. pic.twitter.com/ERCyQKxXAG
— Rafael (@n3ocortex) 2026年6月28日
大手企業自らが売却に動くという状況は、市場心理に悪影響を与える。通常であれば有力企業のビットコイン買い増しは強気の信号と見なされるが、売却計画は相反するシグナルとなる。業界を代表する企業の行動が売り圧力を増強させるという矛盾した状況が、ビットコインの上値を抑圧している。
ドル強気ポジションのみが価格下支え、回復には不確実性が付きまとう
現在のビットコイン相場を支えている唯一の材料は、外国為替市場におけるドル買いポジションの偏ったバランスだ。ドル円相場とビットコイン価格の相関性は負の0.9に達し、2022年後半以来の極値となっており、ドル安がビットコイン買いを促す関係が強まっている。しかし、この支えも恒久的ではない。
供給と需要のダイナミクスが改善しない限り、価格の反発は一時的に止まる可能性が高い。トレーダーが注視すべき焦点は、機関投資家の資金流出が反転するかどうかである。単なるテクニカルリバウンドか、それとも実質的な需要回復の兆しなのか、その見極めが重要な局面を迎えている。ドル相場の動向とETFの資金流向を総合的に判断することが、今後の相場展開を読む鍵となる。
