暗号資産関係者2人が英政党へ巨額寄付、政治資金規制にも影響
BitMEX共同創業者のベン・デロとTether投資家のクリストファー・ハーボーンは2026年9月、英国のReform UKに各3600万ポンドを寄付した。暗号資産による政治献金の透明性と規制をめぐる議論が、日本の投資家にも参考となる事例だ。
確認できた事実:デロ氏とハーボーン氏が各3600万ポンドを拠出
今回の寄付は、暗号資産関係者2人が英国の政党Reform UKにそれぞれ3600万ポンドを提供したものだ。
BitMEX共同創業者のベン・デロ氏は2026年9月11日、英紙への寄稿で寄付を公表した。単一の英国政党への寄付として過去最大で、2022年に保守党へ贈られた1000万ポンドを上回る。翌12日には、Tetherへの投資で知られるクリストファー・ハーボーン氏も同額の寄付を明らかにした。
デロ氏は当初、次回総選挙まで毎月100万ポンドを寄付する考えだったが、政府による献金上限の導入に備え、一括で前倒ししたと説明した。デロ氏は2022年、BitMEXのマネーロンダリング対策をめぐり米銀行秘密法違反を認め、10,000,000ドルの罰金と30カ月の保護観察を受けた。その後、2025年3月に恩赦を受けている。
日本の読者への影響:暗号資産献金の追跡可能性が規制論点になる
日本の投資家にとって重要なのは、暗号資産が政治資金の透明性と本人確認の課題を浮き彫りにしている点だ。
英国では、暗号資産による寄付を停止し、海外在住の英国有権者などからの寄付を年間10万ポンドに制限する法案が議会で審議されている。政府は、暗号資産の送金では実質的な所有者を確認しにくく、適格な寄付者からの資金か判断しづらいと主張している。これは取引所やウォレットの本人確認、送金記録の保存が、資産移転だけでなく資金の適法性確認にも関係することを示す。
なお、今回のニュースは英国の政治資金をめぐる事例であり、日本の暗号資産税制や政治資金制度が同じ扱いになることを意味しない。日本の利用者は、海外サービスを使う場合でも、送金履歴や取得価格などの記録を保管する必要がある。
helloBTC編集部の整理と今後の注目点:法案成立と寄付の返還義務を確認すべき
今後は、英国の政治資金法案が上院を通過し、国王裁可を経て実際に施行されるかが焦点となる。
法案は2026年9月2日に下院を通過し、翌日に上院へ移った。成立すれば、2026年3月25日以降に行われた対象となる暗号資産寄付は、規則発効から30日以内に返還が必要となる可能性がある。ただし、記事時点では規則はまだ施行されていない。
デロ氏とハーボーン氏の寄付は、暗号資産で築いた資産が政治活動へ流入する規模を示す一方、資金源の確認や献金上限をどう設計するかという規制問題も提起した。日本の読者は、富裕層の寄付額だけでなく、送金経路、本人確認、返還条件、法案の成立時期を分けて確認することが重要だ。
一次資料:Ben Delo
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