SECが暗号資産の保管規制を緩和へ、投資助言会社の自己保管を条件付き容認

米SEC、投資助言会社による暗号資産保管の新ルールを提案

米SECは2026年10月2日、適格なカストディアンが見つからない暗号資産について、投資助言会社による条件付き自己保管を認める規則案を公表した。日本の投資家にも、機関投資家向け商品の選択肢や保管リスクを考える材料となる。

確認できた事実:SECは暗号資産の条件付き自己保管を提案

米証券取引委員会(SEC)は、適格な暗号資産カストディアンが存在しない場合に、投資助言会社が顧客資産を自ら保管できる規則案を公表した。

自己保管を選ぶには、対象資産ごとに利用可能な適格カストディアンがないことを確認し、四半期ごとに再評価する必要がある。カストディアンが利用可能になった場合は、合理的に可能な限り速やかに移管しなければならない。秘密鍵の管理、サイバーセキュリティ、顧客資産の分別管理も求められ、移転には少なくとも2人の承認者が必要となる。

規則案は、州の認可を受けた信託会社を暗号資産カストディアンとして利用する道も示した。信託会社には、暗号資産保管の認可、紛失・盗難・不正流用を防ぐ手続き、監査済み財務諸表や内部統制報告、顧客資産の分別管理などが求められる。SECは連邦官報への掲載後60日間、意見を受け付ける。

日本の読者への影響:米国の機関向け暗号資産商品の保管制約が変わる可能性

今回の提案が実現すれば、米国の投資助言会社が扱える暗号資産の範囲が広がる可能性がある。

従来は、特定トークンに対応する適格カストディアンを確保できないことが、顧客への提供を妨げる要因となっていた。自己保管が認められても、鍵の紛失や不正送金を防ぐ内部統制が必要であり、保管できることと安全に運用できることは同じではない。

日本の個人投資家にとっては、米国商品への投資を検討する際、運用対象だけでなく、誰が秘密鍵を管理するのか、顧客資産が分別されているのか、事故時の責任や補償がどう定められているのかを確認する材料となる。SECの提案は米国制度に関するもので、日本の交換業者や国内商品の規制を直接変更するものではない。

helloBTC編集部の整理と今後の注目点:最終ルールと保管体制の実効性を見極める必要

今回の動きは、暗号資産を投資商品へ組み入れる際の保管インフラ不足を、規制面から解消しようとする提案である。

SECは投資助言会社が顧客資産を保管する場合に利益相反が生じ得ると認識しており、受託者責任は引き続き適用されるとしている。規則案が最終化されるか、自己保管の要件がどのように修正されるかが第一の注目点だ。

また、州信託会社の参入が実際に増えるか、複数承認や分別管理が現場で機能するかも重要である。日本の読者は「保管規制の緩和」を安全性の保証と受け取らず、商品ごとのカストディアン、鍵管理、監査、移管条件を確認すべきだ。

一次資料:米国証券取引委員会(SEC)

執筆・検証方法はhelloBTCの編集方針をご確認ください。

目次