6月の米雇用統計が大幅減速、ビットコイン相場に影響する理由

米国の雇用市場が予想を大きく下回った背景

2026年6月の米国雇用統計が市場の予想を大幅に下回った。政府が発表した非農業部門雇用者数は5万7000人増にとどまり、経済学者の予想である11万人を大きく下回った。前月の5月は当初17万2000人から12万9000人に修正されていたため、今月の鈍化は極めて顕著である。一方、失業率は4.2%と予想の4.3%を上回る改善が見られたが、これは労働力参加率が61.8%から61.5%に低下したことが主要因であった。つまり、労働市場に参加する人口そのものが減少している状況である。

FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ見通しが急変

この雇用統計の弱さは、金融市場の金利政策予想に大きな影響を与えた。発表前には、シカゴマーカンタイル取引所(CME)のフェドウォッチによると、9月までに1回以上の利上げが実施される確率は約65%と見られていた。しかし統計発表直後、この確率は50%に急落したのである。トランプ大統領の低金利志向と新しいFRB議長ケビン・ワーシュの任命により、市場は金利据え置きの可能性を高く評価し始めた。一方で、上半期のエネルギー価格上昇がインフレを加速させたため、2週間前のFRB会合では鷹派的な姿勢が示されていた。今回の雇用統計は、この流れに変化をもたらす可能性を秘めている。

ビットコインと株式市場に見られる異なる反応

米国雇用統計発表直後、市場参加者の反応は資産クラスごとに異なった。ビットコインは6月中盤から強気相場を形成していたが、統計発表時点で6万1000ドルを超える水準を維持し、過去24時間で約4%上昇した。これは利上げ見通しの低下が、インフレ資産としてのビットコインにプラスに作用したことを示唆している。一方、株式市場も好反応を示し、ナスダック100先物は統計発表前のほぼ横ばいから0.7%上昇に転じた。10年物米国債利回りは4.46%に低下し、金利低下局面への移行期待が高まっている。こうした市場の動きは、雇用市場の弱体化が景気減速を示唆しており、金融政策の引き締めペースが鈍化する可能性を反映している。

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