Strategy株、ビットコイン予測改善でも希薄化が株主利益を圧迫か

ビットコイン上昇期待の一方でStrategy株に希薄化懸念

TD Cowenは2026年10月の分析でビットコイン予想を引き上げた一方、Strategyの目標株価を260ドルに据え置いた。優先株や債務、資金調達による希薄化が、MSTR株主の1株当たり利益を抑える可能性があるためだ。

確認できた事実:TD Cowenは目標株価を260ドルに据え置き

TD Cowenはビットコインの将来予測を引き上げながら、Strategy(MSTR)の目標株価を260ドル、投資判断を「Buy」に維持した。

同社のモデルでは、ビットコイン価格を2026年末に約109,000ドル、2029年に280,000ドルと予想している。一方、Strategy株は約150ドルまで下落し、年初来では約5%安となった。目標株価は当時の株価から約73%の上昇余地を示す。

TD Cowenの分析では、Strategyが資金調達を拡大すると、発行済み株式数の増加によって既存株主の持ち分が薄まる。さらに、STRC、STRF、STRDなどの優先株や債務は、普通株式であるMSTRより先に請求権を持つ。

Strategyは保有するビットコインを84万BTCまで増やし、含み益は約45億ドルとされる。ただし、調達資金の一部は現金準備や優先株の支援に充てられ、すべてが直ちにビットコイン購入へ回るわけではない。

日本の読者への影響:ビットコイン保有量だけでMSTRを判断できない

日本の投資家がMSTRを評価する際は、ビットコイン価格だけでなく、債務、優先株、株式希薄化を合わせて確認する必要がある。

企業がビットコインを追加購入しても、普通株主に帰属するビットコイン価値が同じ割合で増えるとは限らない。優先株主や債権者への支払い、現金準備の積み増しがあるためだ。これは、現物のビットコインを直接保有する場合と、企業の資本構成を通じて間接的に投資する場合の重要な違いである。

Strategyの株価を純資産価値で割ったmNAVは、6月の0.63倍から約1倍まで回復した。mNAVは、企業の市場価値が保有資産の価値に対して何倍で評価されているかを見る指標であり、上昇局面では期待が織り込まれる一方、資金調達や株主構成の変化にも注意が必要だ。

helloBTC編集部の整理と今後の注目点:BTC価格と1株価値の差を追う

今後の焦点は、ビットコイン価格の上昇がMSTRの1株当たり価値にどれだけ反映されるかである。

TD Cowenの強気なビットコイン見通しは、Strategyの収益力を押し上げる材料だ。しかし、優先株の買い戻し、現金準備の構築、追加の株式発行が続けば、ビットコイン保有量の増加が普通株主の利益へ直結しにくくなる。

投資判断では、BTC価格、Strategyの保有BTC、発行済み株式数、債務と優先株の規模、mNAVを同時に確認したい。なお、今回の価格予測はTD Cowenの分析であり、将来の価格やMSTRの株価を保証するものではない。

一次資料:Saylor Tracker

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