ビットコイン6万ドルに下落|3つの下落シナリオ

ビットコイン(BTC)は6万ドル台まで下落し、2024年10月に記録した高値12万6,000ドルから約52%の下落となった。短期間で大幅な価格調整が進行したことで、市場ではリスク回避姿勢が強まりつつある。今回の下落は2022年11月のFTX破綻以降で最大級の値幅となり、投資家心理にも影響を与えている。

今回の下落は数ヶ月で急速に進行し、日次の下落率は一時10%を超えたとされる。特にレバレッジ取引におけるロングポジションの整理が進み、短時間で約2億ドル規模の清算が発生したとの指摘もある。こうした強制清算が連鎖したことで、市場のボラティリティは大きく上昇した。

半減期サイクルと調整局面の歴史

ビットコインは約4年ごとに迎える半減期を起点に上昇局面を形成してきた。一方で、ピーク到達後には大幅な調整局面が訪れることが過去のサイクルでも繰り返されている。

過去の半減期サイクルでは高値から70〜80%規模の下落が発生した例も多く、今回の下落率52%は依然として過去平均を下回る水準にある。市場では、調整がさらに進行する可能性を残した状態とみられている。


過去サイクルとの比較で意識される下落余地

2012年サイクルでは約87%、2016年では約84%、2020年では約77%の下落が記録されている。平均すると約77%の調整幅となり、現在の下落率がその水準に達していない点は重要視されている。

ただし今回は現物ETF承認後の市場構造変化があり、過去と同様の下落幅に至るかどうかは不透明との見方もある。

シナリオA:5万〜6万5,000ドル圏での下げ止まり

最も可能性が高いとされるのが、5万〜6万5,000ドル圏での底入れシナリオである。暗号資産分析企業は6万〜7万ドルを重要なサポートゾーンとして指摘しており、この水準で買い支えが入るかが焦点となっている。

今回の局面では、機関投資家の参入が過去サイクルとの大きな違いとして挙げられる。2024年1月の現物ETF承認以降、大手運用会社が市場に参加し、ETFの総保有額は約1,500億ドル規模に達している。長期保有を前提とする資金が増えていることは、急落局面での下支え要因となる可能性がある。

シナリオB:3万8,000〜5万ドルまで調整が進む中立ケース

中立的なケースとしては、半減期後の典型的な調整幅に沿って3万8,000〜5万ドルまで下落が進むシナリオが想定される。投資銀行Stifelは3万8,000ドルまでの下落余地を示唆しており、現在水準から約37%の追加下落となる。

著名投資家マイケル・バリー氏も、2021〜2022年の下落局面との類似性を指摘し、5万ドル台前半までの調整リスクを警告している。この水準まで下落した場合、高値から約70%の調整となり、過去平均に近い値幅となる。

シナリオC:2万5,000〜3万8,000ドルまで下落する悲観ケース

最悪の場合、過去の最悪ケースに近い77〜84%下落水準まで調整が進む可能性も否定できない。特に現在の6万ドル水準は、多くのマイニング企業の採算ライン(8万7,000〜9万4,000ドル)を下回っているとされる。

仮に5万ドルを割り込めば、マイナーによる資金繰り目的の売却が加速する「降伏売り」が進行し、市場全体の下落圧力となる可能性がある。バリー氏はビットコイン急落が他資産市場へ波及するリスクにも言及している。

今後の焦点は6万ドル水準の維持

現時点では6万ドル水準が重要な分岐点となっている。この水準を維持できれば下げ止まりの可能性が残る一方、明確に割り込んだ場合には調整が一段と進むリスクが高まる。

今後はETFを通じた資金流入出、機関投資家の買い支え、マイニング企業の財務状況など複数の要因を注視する必要がある。