韓国で過去最大級のビットコイン誤送信事故が発生、Bithumbが62万BTCを誤配布

韓国の大手暗号資産取引所Bithumbで、史上最大級とされる誤送信事故が発生した。報道によれば同社は2月6日(現地時間)、ユーザーに対して約62万ビットコイン(日本時間9日時点で約7兆円相当)を誤って送金したという。中央日報東亜日報、英Reutersなど複数のメディアが伝えている。

今回の事故はキャンペーン報酬の配布作業中に発生した。本来は約2000ウォン(約210円)相当の報酬を付与する予定だったが、システム設定の誤りにより、249人のユーザーに対して1人あたり2000BTC(約280億円相当)が送付された。送金額の数値「2000」がウォンやポイントではなくBTC単位で処理されたことが原因とされる。誤送信総額は約62万BTCに達し、暗号資産業界でも例を見ない規模となった。

回収は99.7%進むも、一部は未回収のまま

Bithumbは誤送金から数十分後に事態を把握し、暗号資産の入出金を全面的に停止した上で回収を開始した。ただし、その間に誤配布を受け取ったユーザーの一部が即座に売却を行い、合計1786BTCが一括で市場に放出されたとされる。この売却により、Bithumb内のビットコイン価格は急落し、一時的に市場の混乱を招いた。

同社は今回の件について、外部攻撃やセキュリティ侵害ではなく、単位設定ミスによるシステムエラーだと説明している。迅速な対応により、2月9日時点で誤送付分の99.7%を回収したとしているが、125BTC(約14億円相当)はすでに現金として引き出されたり、他の暗号資産購入に利用されたりしており、現時点で未回収となっている。

事故を受け、Bithumbは補償および再発防止策を発表した。中央日報によれば、同社は約11億円を補償に充てるほか、107億円規模の顧客保護ファンドを新たに組成し、今後の事故対応や顧客資産保護に活用する方針だという。

今回の大規模誤送信事故を受け、韓国当局による取引所規制強化の議論が進む可能性もある。韓国では2024年に暗号資産利用者保護法が成立しており、監督体制の整備が進められていた。市場では今後、送金前チェック体制の義務化や顧客保護ファンドの基準設定などが検討されるとの見方も出ている。

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